宮 直人
日本獣医救急集中治療学会 RECOVER CPR受講奥沢すばる動物病院
東京都世田谷区奥沢3-45-1欅ビル1F
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ベスト
アンサー愛犬の突然死について
兵庫県 その他・7 才 11 ヶ月・メス(去勢・避妊済み)
東京都で開業医をしております宮と申します。
まずは翔馬様の 東京都で開業医をしております宮と申します。
まずは翔馬様のご愛犬ちゃんに謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
非常に詳細に記載をいただいておりますが、経過のみでは分かり得ない情報も多いためあくまで仮定としていくつか突然死の要因を考えさせてもらいたいと思います。
①吐瀉物の誤嚥による窒息
→かなり重度の吐き気がご様子からは見てとれます。胃内にはあまり食渣などの残存はなかったかもしれませんが、胃液そのものが粘稠度が高くなることもあり、それが気管や気管支などに詰まってしまうと窒息を生じる恐れはあるかと思います。
②急性膵炎ならびに血栓症
→かなり重度の吐き気の原因として、若齢であることや犬種などから急性膵炎という病気も考えられます。この病気は急に生じ、強い吐き気、お腹の痛み、強い炎症を特徴とします。また、強い炎症に伴い体を流れる血液にも影響を及ぼします。血管の中で血液の塊ができてしまいどこかの臓器で詰まってしまうことを血栓症と言いますが、急性膵炎の発症時にはこの血栓症などを生じるリスクが高くなってしまいます。血栓を生じた臓器が脳や心臓などであれば脳梗塞、心筋梗塞となり突然死を生じる可能性は十分に考えられるかと思います。
③感染性疾患
→こちらは質問者様の地域がどこかで変わる内容ではありますので地元の獣医さんからお話がなかったのであればおそらく可能性は低いかと思われます。
例えば、近年はSFTS(重症熱性血小板減少症候群)などの比較的致命率の高い疾患(犬は29%くらいの致死率)がマダニ感染などを介して広がってきています。この疾患では発熱、元気・食欲低下、嘔吐、下痢などがよく認められる症状になります。突然死を生じ得るか否かは判断のつきづらいところにはなりますが、一応、鑑別として挙げさせていただきます。
ほかにも突然死という現象のみを捉えれば、脳疾患(脳出血、脳炎など)、心疾患(フィラリア症、先天性心疾患)などが考慮されますが、いずれも質問者様のご説明にある状況にからは合致しない部分が多く、鑑別からは除外しております。
最後に、突然のご愛犬の不幸に際し、ご家族の皆様の悲しみはとても深いものと察します。その中でせめて原因だけでもと思われる翔馬様の思いに触れ、今回、稚拙ながら回答をさせていただきました。あくまで自分の意見として思うことを述べたに過ぎないため、正否を決しているわけではないことは重ねてお伝えさせていただきます。 -
目の上に腫瘍?できものでしょうか。
宮崎県 ミックス(雑種)・2 才 9 ヶ月・オス(去勢・避妊済み)
東京の奥沢すばる動物病院 宮と申します。
お写真のみなので 東京の奥沢すばる動物病院 宮と申します。
お写真のみなので確定的なことは申し上げにくいのですが、1ヶ月齢ということや、反対側の目も結膜が腫れている様に見受けられることから、右目に関しては何らかの重度の感染症を生じている可能性が高いと推察されます。(基礎にヘルペスウィルス感染症、二次的に細菌感染を併発が疑わしいかと)
場合によっては失明を覚悟しなかればならない事もあるため、可能限り早く動物病院を受診することを勧めます。 -
左前足?を庇って歩いている気がします。
東京都 柴犬・5 才 4 ヶ月・メス(去勢・避妊済み)
はじめまして。
動画を拝見する限り左前肢の跛行に見受けられ はじめまして。
動画を拝見する限り左前肢の跛行に見受けられます。この動画では歩くときには足を下につける(負重する)仕草を認められるため、肘よりも上に異常があるのかと推察されることから首、肩、肘あたりに異常がないかは気になるところです。1週間ほど時間が経過しても症状の良化がないようなので、可能であれば病院を受診された方が良いかと思います。
こういった症状の場合には整形外科疾患となるため、お近くの病院が整形外科が不得手あれば得意な病院をご受診されてはいかがでしょうか? -
ベスト
アンサー重度の貧血です。ステロイドの量について相談させてください。
東京都 フレンチブルドッグ・14 才 7 ヶ月・メス(去勢・避妊済み)
ステロイド薬の1日1回ないしは1日2回の使用量については、貧 ステロイド薬の1日1回ないしは1日2回の使用量については、貧血の原因を重度の免疫疾患に起因すると考えるか否かで推奨量が変わってきたものと思われます。
薬の使用量に関しては一般的に○mg/kgと言う表記を用い”体重1kgあたりに○mgの薬の量となる”として用量の計算をしています。
まず、一般的なステロイド薬の使用量は抗炎症量:0.5mg-1.0mg/kg/1日1回を用いる場合が多いです。また、免疫抑制作用を求める場合:1.0-2.0mg/kg/1日1回とすることが多いと思われます。重度の免疫疾患(例えば免疫介在性溶血性貧血:IMHA)が想定される場合には2.0-6.0mg/kg程度に増量することもあり得ますが、この場合にはかなり高用量となるため1回の使用量を減らすために、例えば2mg/kg/1日2回(総量では4mg/kg)での使用とすることもあります。
この様に期待する効果あるいは予想される副作用などを考慮した上で薬の投与量決定はなされるため、現状、ご相談の子に対してはどういった疾患を想定して使用するかで意見が変わってきているのではないかと予想いたします。