津田 卓二 ISVPS 歯科口腔外科有資格者
日野どうぶつ病院
- 得意動物: 犬 猫 得意分野:歯科・口腔外科・整形外科
こんばんは
心中お察しします。
私は窪田先生の意見におお
むね同意です。
安楽死の是非は、一つは法的なもの、もう一つは人それぞれの価値観だと、私は思っています。
国によっては、人の安楽死を認めている国もあります。日本では法的に、人には認められていませんが、動物にはダメと言われていません。
私自身は過去、保健所勤めで、捕獲した野犬の処分(安楽死)をしており、それが嫌で公務員を辞めたと言っても良いので、医院での安楽死には二つ基準を設けています。(1)その傷病が決して治らない場合、(2)苦しみや痛みが、(安楽)死によってでしか取り除けない場合、の二つを満たすこととしています。
ご相談のケースでは、口腔の悪性黒色腫という、非常に悪性の腫瘍で肺転移も認められており、残念ですが、治癒はまずあり得ません。体重も病的に減っております。生きている間中苦しみしかないです。私自身、安楽死の適応と考えます。
ただ、動物は死という概念はなく、故に死の恐怖もおそらくなく、でも、しんどいとか苦しいと感じでいるかもしれませんが、飼い主さんから食事をもらうことに喜びを感じているかもしれません。飼い主さんが、その苦しみを取り除くことが自分の責任と思うか、最後まで生かすために最大限の努力をするのが責任と思うかは、家族の中でも意見が割れてしまうものです。それぞれの価値観をエゴという一言で片付けることはできません。
私たち獣医師は、飼い主さんが一本の歯を抜かないでほしいと言われればそれに最大限の努力をするしかない立場です。命を奪うことは、飼い主さんと同様私たち獣医師も嫌な仕事です。ですが、動物の命を奪うことは、法的に私たち獣医師しか認められていません。私たちはさまざまな死を見ていますが、飼い主さんにとっては、かけがえのない死(命)です。これは、答えのないことですがこうして飼い主さんが苦悩することが、動物への真摯な気持ちといって良いと思いますので、いつか、これでよかったと総括できる日が来ると思います。
参考になれば幸いです。
2022/08/19 23:38