高齢犬の抜歯手術について

2021/05/30 08:37

ゆき

北海道・30代・女性

年齢 16 才 11 ヶ月
性別 メス(去勢・避妊済み)
品種
種別 チワワ
詳細
いつから 2〜3年前から
相談時の体重
相談種別 歯・口腔内に関する相談

13歳のチワワを飼っています。
以前からうまく歯みがきができず、歯石がたくさんついていたり、グラグラしている歯が数本あります。
抜歯手術やスケーリングをしたほうがいいんだろうと思ってはいるのですが、全身麻酔をさせることへの不安と抵抗がありなかなか踏み出せず、この年齢まできてしまいました。
身体も小さいチワワですし、高齢なので体力がもつかどうか。身体への負担が心配で躊躇してしまうのですが、やはり口腔環境を考えると手術したほうがいいのかと頭を悩ませています。
このまま放置していたら他の病気になる可能性もあるでしょうか?
この年齢でも問題なく手術できるものでしょうか?

獣医師からの回答

ベスト
アンサー

津田 卓二

  • 日野どうぶつ病院(岐阜県岐阜市日野南)
こんにちは、津田です。 大変良くあるご相談です。 いろん な要素をよく考えて決断する必要があります。 (1)まず、体の大きい小さいは麻酔を心配する大きな要素ではありません。麻酔のリスクは、簡単に言えばいかに健康的かどうかです。 人でも元気なご高齢の方もみえれば、若いけど健康ではない方もみえますね。具体的に13歳というのは高齢ですが、麻酔が特別に心配な年齢とは私は思っていません。数年前にオーストラリアの麻酔専門獣医師のセミナーを受講した際、犬は10歳以上は血管が老いてくるので、皆腎不全のリスクがあり、すなわち麻酔のリスクはあるということでした。 私の身近な麻酔専門獣医師からは、高齢の場合は、1回の長い麻酔時間より、複数回の短い麻酔のほうが、リスクは低いだろうと聞いています。幸い、口の手術は、頃合いを見て中断することは割としやすいかもしれません。右上顎だけまず抜歯をしようとか、区切りをつけて安全な状態のうちに終えることができます。例えば、お腹の中の手術を複数回に分けることは嫌でしょう? (2)口の手術を受けてみないと実感として分からないことですが、口腔環境が著しく悪化している多くの動物はQOLがかなり低下しているものです。そのような動物は、お口のトータルの治療をきっちりと行うことで、手術後に大きなQOLの改善が見られることが多くいです。 (3)歯周病の放置は、体の他の臓器に悪影響を及ぼすことは人も犬も周知の事実です。 (4)問題なく手術ができるかは年齢が最優先に考慮する事項ではありません。体全体をしっかりと評価することです。また、獣医の世界でも麻酔専門獣医師の登場により、麻酔疼痛管理は昔と比べれば雲泥の差で進化しています。 (5)ご質問にはないことですが、高齢動物で考慮しなければならないことがもう一つあります。それは、その動物の天寿がいつであろうと、できる限りのことをしてあげたいと思われるかどうかです。13歳ですと、正直いつ寿命が訪れるかわかりません。1ヶ月後か3ヶ月後か半年後かもしれません。仮に3ヶ月後に天寿を全うしたとしても、お口の問題、痛みや違和感を可及的に取り除いてあげて、より健康的な生活に整えてあげられて良かったと思えるかどうか。これは飼い主さんしかわかりません。 やってあげたいと思われているのであれば、信頼できる動物病院で、勇気を出して1日も早く実施されるのをお勧めします。それだけ早く苦痛から解放されますので。
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