獣医師の意見が違うので迷っております(膵炎)

2023/07/05 08:04

千葉県・0代・

年齢 16 才 7 ヶ月
性別 メス(去勢・避妊済み)
品種
種別 その他
詳細 スコティッシュテリア
いつから 10日ほど前から
相談時の体重 9.5kg
相談種別 その他

2週間ほど前からフードの食べムラが始まり(食欲不振もあった)時々嘔吐もしていたのでかかりつけ医に見てもらったところ膵炎との事。
青い丸が出る検査キットでの診断。
ですが、CRPは0.6と正常値。
急性期は過ぎていると思うが食欲が戻るまで5日間点滴と注射に通いました。飲み薬は抗生剤、胃薬、消化管運動改善薬でした。
少しずつ食べるようにはなりましたが6日目にブルブル震えて鼻水を垂らし元気がなくなったので救急病院を受診しました。かかりつけの検査結果を持参したところ、CRPが正常値だし、検査キットのみの結果では膵炎と断定できないと言われ、画像診断で見てくれました。現状は膵炎と診断する所見はないと言われました。肝臓がいくつかの腫瘍でボコボコしているのでその辺から多少の痛みなどはあるかもだけど触診では大丈夫だったとのこと。ですが、かかりつけの方では膵炎は治るのに時間がかかるから食べなくなったり嘔吐があればまた点滴治療をすると言われています。
救急の先生には膵炎に抗生剤はそもそも効くものではないので飲む必要はないと言われ、どちらを信用すべきか分からなくなってしまいました。サードオピニオンまで行く余裕もないのでこちらでご意見を聞かせて頂けたらと相談しました。
ちなみに病気はたくさん持っており、肝臓腫瘍7cm、クッシング症候群(薬はやめている)、脳から来ているであろう痙攣発作(コンセーブ服用)、シスタチンc値0.85とタンパク尿で(腎臓の薬服用)BUN30、クレアチニンは1.6です。宜しくお願い致します。

獣医師からの回答

ベスト
アンサー

吉川文貴 第1種放射線主任者

  • ぶんペットクリニック(愛知県岡崎市上和田町森崎)
  • 得意動物: 犬 猫  得意分野:腫瘍科
おはようございます。 愛知県岡崎市ぶんペットクリニックの吉 川と申します。 今回の意見の食い違いは、膵炎の診断が非常に難しいことによって生まれたものだと思います。 膵炎の診断は総合診断です。 その中で、膵臓マーカーの結果を重要視する先生と、 画像診断の結果を重要視する先生とで別れます。 画像診断の結果から判断することが、最も診断率が高いという最近のデータはあります。 膵炎の診断で考慮するものは ・膵臓マーカー ・膵臓の画像診断 ・CRP ・症状の重症度 ・症状の経過 以上の項目かと思います。 膵臓のマーカーのみ上がった状態で、なぜ膵炎と断定できないかというと、膵臓マーカーは、膵臓の潜在的な炎症を反映しているため、膵炎といえるほど、炎症が強く起こっていなくても、マーカーのみ上昇する可能性があるためです。 仮に、画像診断でも、膵臓のマーカーでも異常がなく、CRPのみが上がっていて、消化器症状があって、そのほかに炎症が起こっている部位が見当たらない場合は、膵炎と仮診断したり、膵炎に類似した消化器の炎症疾患として、膵炎の治療をしていくこともあります。 (膵炎が悪化すると大変なので) ここまでは、膵炎についての説明でしたが、ここからは個人的な見解を交えて意見を言いたいと思います。 現在の持病のうち、クッシング症候群はむしろ食欲の出る病気であり、痙攣発作は昔からのことであれば食欲とは関連しないと思われますし、腎臓の数値も食欲に影響が出るレベルではないかと思います。 そう考えると、食欲に影響が出ているのは、肝臓腫瘤の影響があるのではないかと思います。 肝臓腫瘤が大きくなってくると、肝臓腫瘤が胃や小腸を圧迫して、消化管の運動性が低下して、食欲が低下することがあります。 また、肝臓腫瘤内や肝臓腫瘤の周囲で炎症や感染を起こすことで、CR Pが上昇しないまでも、炎症が体に影響を与えて食欲に影響が出ることがあります。この炎症が、消化器に影響を与えて症状を治りづらくしたり、重篤化しやすいリスクが高くなります・ ですので、肝臓腫瘤が大きくなった子に対しては、消化器症状が出た場合、治りづらさや重篤化した時のリスクを考慮して治療をしています。 そのような観点でいくと、 かかりつけの病院での治療では間違っていないと思います。抗生剤に関しても膵炎単体には必要なくとも、全体的な感染のリスクを考慮すると必要かもしれません。 "震え"という症状で考えると、一番多い原因は、炎症か痛みだと思います。 骨関節炎やヘルニアなどで、体幹部が痛くなって食欲に大きく影響が出たり、腫瘍の影響で血栓傾向になって、微小血栓が詰まった部位で痛みが出たりなど、痛みに関しては肝臓以外の部分に関して、十分考慮する必要があると思います。 肝臓腫瘤の影響で、膵炎(もどき)がぶり返している可能性もありますが、別の原因の筆頭である痛みについてもう一度再評価してもらうといいかもしれません。 それから、治療に関して、通う負担というのはもちろんありますが、最終的に確定がつけられず、"可能性がある"ことに対して治療を進めていく場合、どこまでその可能性に対してやってあげたいかということも重要になってきます。 "膵炎じゃないかもしれないけれど、膵炎かもしれないから、膵炎だった時のため、また炎症や脱水を抑える目的で点滴をすることは悪いことではないから、やってあげようかな" と考えるのか、 "もしかして意味がない治療なら、できるだけ負担がかからないように家でできることをやってあげよう" と考えるのか、これは正解がない部分かもしれません。 あとは、獣医師によって意見が違い治療に迷っているということを先生に素直に伝えてみることも一つの方法かもしれません。現在の治療について真っ当な納得できる回答があるのであれば、安心できると思います。 ご参考になれば幸いです。
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