避妊手術のメリットに関して

2022/11/10 23:05

ベスト
アンサー

竹下恭平 獣医腫瘍科認定医Ⅱ種

  • 多摩中央どうぶつ病院
  • 得意動物: 犬 猫   得意分野:腫瘍/画像診断/救急医療/臨床病理
はじめまして、多摩中央どうぶつ病院の竹下と申します。 猫の 避妊手術における乳腺腫瘍発生予防効果は若齢時に手術を行うほど高いとされていますが、犬と異なり具体的に何歳あるいは何回目の発情までで優位に予防効果が確認されるかの報告はありません。(ご存知の先生がいらっしゃいましたらご教示ください) ご相談者様の猫ちゃんは1歳8ヶ月とのことですので、1回あるいは2回発情を経験したと推測され、経験的にはなりますが避妊手術による乳腺腫瘍発生予防効果はあると考えます。乳腺腫瘍を患った猫で腫瘍摘出手術を行う場合に可能な限り避妊手術を同時に実施しておりますが、この場合の避妊手術も再発・進行予防を目的としてます。 また、乳腺腫瘍発生予防以外のメリットとして、統計データでは子宮蓄膿症や子宮内膜症などの子宮疾患発生リスク低減や、寿命の延長、事故・感染症の減少、喘息の減少などが報告されています。発情期特有の行動(夜鳴き、徘徊など)が消失あるいは低減することもメリット考えます。 一方、デメリットは肥満や糖尿病発生リスクの増加になりますが、こちらは飼育環境の整備、適切な食事で予防が可能です。 避妊手術の実施についてはさまざま論点があり賛否両論ではありますが、猫を飼育する個人としても、安全に手術ができる健康状態であるならば避妊手術実施のメリットの方が高いと考えており、みなさまに推奨しております。

laplaz

竹下先生
ご回答、誠にありがとうございます。
避妊手術に関するメリット・デメリットについて詳細にご説明いただき、理解が深まりました。
家族とも相談し、やはり避妊手術を受ける方向で進めようと思います。
この度は誠にありがとうございました。
またよろしくお願いいたします。

2022/11/12 16:31